むく介 様 のブログより(4月19日)
昨日、「百鬼どんどろ」の岡本芳一さんの映画「VEIN -静脈-」の
試写会に行きました。
この映画は、演者が等身大の人形と一緒に演技をする映像で
台詞はありません。
演者が目と口に穴があるだけのシンプルな人形を操るのですが
人形が意思を持っているかのように動き、表情まであるように
見えました。
はっきりとしたストーリーはなく、二人が発する感情をもろに
受け続けるような作品でした。
人形の痛みや苦しみが押し寄せてくるようで、見ていて辛かったです。
面白いとかではないんですが、ものすごい感情の波みたいなものを
感じました。
岡本芳一さんは等身大の人形を使った舞台劇「百鬼どんどろ」を
主宰されていて一般の知名度はあまりないと思いますが、
海外でも評価されている表現者です。
昨年、他界されてしまったそうです。
私は5年ほど前にどんどろの方と知り合って、一度だけどんどろの
活動拠点にお邪魔する機会がありました。
岡本さんとは少ししか話せませんでしたが、笑顔が素敵でとても
魅力的な方でした。
そのときに岡本さんの過去公演のビデオを見て、ほんとにすごいと
思ったのですがその後、生の演技を見ることはできませんでした。
今回、ライブの録画とは違う、映像としての岡本さんの表現を見ることが
できました。
岡本芳一という人の表現を残す、とても貴重な作品だと思います。